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連続ブログ小説『橙のミルクティー』第2話
20060619_37278.JPG

「起立!」

「礼!」

日直の号令で僕の意識は現実にかえる。いつの間にか寝ていたらしい。起こそうとする者もいやしない。
学校指定の通学カバンを手に僕は雑踏の中のひとりとして、姿・意識を溶け込ませ、家路をたどる(溶け込ませたフりをしていただけだが)。


家に着くと、すでに妹が学校から帰ってきており、冷蔵庫の烏龍茶で喉を潤し、くつろいでいた。
水曜は部活が休みだと、母と妹間の会話で情報を得ていたが、
「今日はテニス休みだっけ。」
一応、兄らしくコミュニケーションなんてものをとってみる。
「…うん。」
…以上、本日一日分の会話を済ませ、自分の部屋に向かった。普段僕の方から話しかけることは、振り返ってみるとあまりないかもしれない。一瞬の間の後に放たれた妹の短い二文字の返事から、微妙な戸惑いが感じとれた(気がした)。

妹は僕のことをどう思っているのだろう。友人にはどんな兄貴像を語っているのだろう。
…訂正。後者は必要ないだろう。兄の話など自分から話したりするやつではない。

僕のことをどう思っているのだろう。

それすら愚問だろうか。
どういう自分でありたいかすら見えていない兄のことなど。


つづく

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