風「美琴〜、ちょっち頭をやわらかくして聞いてほしいんだけどさ…。」
美「すでにイヤな予感がしてるんだけど…何?」
風「『テニスの王子様』のDVDを買おうか迷ってんだよね。」
美「アニメ?買えば?別に私は止めないけど…。」
風「あ〜いやいや、アニメじゃないんだ、実写なんだよね。」
美「映画?…どっちにしても止めないけど。」
風「うーん…広い意味で言えば映画なんだけど…。美琴が想像してる『テニスの王子様』とは全く別物の…アダルトビデオなんだよね。」
美「まぁ〜たぁ〜!!!知らないよ!そんなの!!どうせお姉ちゃんのことだから男同士のやつなんでしょ!!」
風「おっ、わかってるねぇ〜。さすが我が妹、話が早い。」
美「ああー!!もぅ!!勝手に買えばいいじゃない!」
風「いや、それがさ…、10,500円もするんだよね」
美「高っ。」
風「でしょ?…だからさ…3,000円…いや!2,000円でいい!二人で協力しあって買おう!所有権はアンタでいいから!」
美「いいわけないでしょ!!そんな自ら負の遺産を作るようなこと!!」
風「あ、モザイクはちゃんとかかってるから初心者でも大丈夫だよ。」
美「モザイクの有無とかそんな心配してるわけじゃないって!お金出してまで男同士の絡みなんか観たくないって言ってるの!!」
風「女同士は?」
美「同じだって!!」
風「やっぱ男女か。」
美「……。」
風(……ん?)
美「…興味は…ある…。」
風「……アンタ…素直だね…。なんつーか…ごめんね。よく考えたらアンタ18歳未満だしね…。悪かったよ。」
一方その頃、想太は偶然二人の会話を聞いてしまっていた。
想(…ん!?姉ちゃん今“モザイク”って言わなかったか!?何?何?モザイクがどうしたの!!?くそ、よく聞こえない!何だよ!超気になる!!ああぁー!!)
第10話 完